木工教室に女性(1998年8月)

工具の軽量化が後押し

日曜大工を楽しむ女性が増えています。男性のように“大物”作りではなく、草木を入れるコンテナや小さないすなどの小物に人気があり、デザインや色、大きさが生活空間にぴったり合うことにこだわります。工具の軽量化などを背景に、女性向けの木工教室も盛んです。

3割が女性

会員の3割が女性に

「日本日曜大工クラブ」(東京)は、年々女性会員が増えています。1961年の発足当初ごく少数だったのが、現在約3千人の会員の3割が女性です。特にこの2、3年、増加が目立つといいます。

アクリル絵の具で描くトールペイント

会員の一人、東京都国分寺市の主婦Sさん(50)は、イスや状差し、植木鉢を飾る「花車」などをよく作ります。こうした作品には、アクリル絵の具で花や人形を描きます。トールペイントと呼ばれる技法です。自宅の改装に際して、文庫本がぴったり入る本棚や台所のすき間に収まるワゴンなども作りました。

DIY(ドゥ・イット・ユアセルフの略)の講演会を1982年に聞いたのが、日曜大工に関心をもったきっかけ。その後、日本日曜大工クラブに入会して腕を磨き、今では公民館などで女性に木工やトールペイントを教えています。

手作りで好みのものを手に入れる

「手作りだと、好みのデザイン、大きさもぴったりのものが手に入る。家族に見てもらい、知人に小物を贈って喜ばれるのがうれしい」とSさん。

各自治体主催の女性向け木工教室も人気

インテリアを兼ねた小物や小さい家具が好評

この数年、女性向けの木工教室を、自治体などが催すようになり、どこでも人気があります。初心者にはノコギリの使い方やクギの打ち方から教えます。好評なのは、小さないすやCDラックなど実用とインテリアを兼ねたものが多い。ガーデニングブームの影響で、草花や植木鉢を入れるコンテナなどもよく作られます。

いす兼用の空き缶つぶし器

日本日曜大工クラブでは、いす兼用の空き缶つぶし器がなかなかの人気です。I字形の座面を持ち上げてはずし、脚の空洞にアルミ缶を入れ再びI字形座面をはめて座ると、下部に開けた穴から缶がつぶれて出てくる仕掛け。

日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会(東京)の認定資格「DIYアドバイザー」

合格者に占める女性の割合が1割を超える

木工に加え、住まいの手入れ全般を守備範囲にした「DIYアドバイザー」でも、合格者に占める女性の割合が1997年度1割を超えました。日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会(東京)が認定する資格で、女性のアドバイザーは1983年の試験実施以来約360人。子供向け工作教室などを指導しています。

自分で彩色した小物で生活空間を演出しようという女性たち

DIY講座の講師、油田加寿子さんは「1990年代初めにトールペイントなどが流行、自分で彩色した小物で生活空間を演出しようという女性たちが日曜大工の世界に入った」と見ています。

工具の小型軽量化やDIY店のサービスの充実が背景に

背景には、電動のドリルやノコギリなど、工具の小型軽量化と、図面通りに板を切ってくれるDIY店のサービスの充実などがあるといいます。

日曜大工用具ズラリ、幕張メッセでDIYショウ(牛込菜穂子)

幕張メッセのDIYショウについて解説します。

住まいの手入れや補修は、自分の手で

住まいの手入れや補修などを自分の手でやろうと啓蒙(けいもう)活動をしている社団法人日本ドゥ・イット・ユアセルフ(DIY)協会主催の「DIYショウ」が、毎月夏から秋にかけて、千葉市の幕張メッセ国際見本市会場で開かれています。

「もっと、くらしリゾートフル」をテーマに

1000以上のコーナーを展示、実演イベントも

「もっと、くらしリゾートフル」をテーマに大工道具や、台所用品、園芸用品など、関連会社数百社によって、1000以上のコーナーを設け、展示をします。そのほか、どれくらいの時間で角材を切ることができるかを競う角材切り大会や、マガジンラックを作る親と子の工作大会、手作りカヌーの制作実演などのイベントも行われたりします。

戦火で荒廃した町や家を自分たちの手で作り直す運動として生まれたDIY

発展とともに、日曜大工、手作りなどを表す言葉へ

DIYは、第2次大戦後のロンドンで、荒廃した町や家を自分たちの手で作り直そうという運動として生まれました。その後、アメリカ、ドイツなどで、産業として発展。また、日曜大工、手作りなどを表す言葉として使われるようになりました。

日本のDIY消費額は欧米の半分以下

日本DIY協会によると、壁紙や木材、塗料など、DIY商品の消費額は、日本人の人口1人あたり、年間約1万5000円だといいます。これに対し、アメリカではその約3倍、ヨーロッパでは約2倍あり、DIYに対する親密度の違いが分かります。

日本でも浸透し始めたDIY
自分自身の発想を生かしたいという願望の流れか

ですが、最近日本でもDIYが生活に親しみつつあるといいます。日本DIY協会事務局は「社会の歯車の中で疲れ果てた人間が自分自身の発想を生かしたいという時代なのでは」と話します。

問い合わせは、日本DIY協会まで。